ペプチドには数多くの種類がありますが、スキンケアで使われるペプチドは大きく4つのタイプに分類できます。
1. シグナルペプチド——「作って」と指令する
線維芽細胞に「コラーゲンやエラスチンを合成して」というシグナルを送るペプチド。代表例はパルミトイルトリペプチド-38やパルミトイルペンタペプチド-4(マトリキシル®)。ハリ・弾力のケアを目指す方に。
2. 神経伝達物質放出阻害ペプチド——「伝わりにくくする」タイプ
神経伝達物質の放出に関わるシグナル(SNARE複合体)にアプローチする設計のペプチド。代表例はアセチルヘキサペプチド-8(アルジルリン®)。額や目尻など、表情のクセによる目もとの印象が気になる方に向けて研究されています。
3. キャリアペプチド——金属イオンを届ける
銅などの微量金属を肌に効率的に届ける。代表例はGHK-Cu(銅ペプチド)。銅イオンはコラーゲン合成や傷の修復を促進します。肌の修復・再生を重視する方に。
4. 酵素阻害ペプチド——「壊さないで」と守る
MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)を阻害し、コラーゲンの分解を防ぎます。「作る」だけでなく「壊さない」も重要。作る + 壊さない = 本当のコラーゲンケア。
目的別の選び方
ハリ・弾力 → シグナルペプチド。表情ジワ → 神経伝達阻害ペプチド。修復・抗炎症 → キャリアペプチド。予防的なコラーゲン保護 → 酵素阻害ペプチド。根拠の種類は成分ごとに違います。パルミトイルペンタペプチド-4は企業の試験(93人・12週・3ppm・Robinson 2005)、アセチルヘキサペプチド-8は開発グループの試験(10%配合の乳液・30日でシワの深さ最大30%減・Blanes-Mira 2002)と別の研究グループの試験(60人・4週・プラセボ対照・Wang 2013)、パルミトイルトリペプチド-38はメーカー資料のみ、酵素阻害ペプチドの臨床は見つかっていません。複数を組み合わせて効き目が上がることを示した試験も、確かめた範囲にはありません。
参考文献
本記事の科学的記述が依拠する主な査読論文です。
- Robinson LR, Fitzgerald NC, Doughty DG, Dawes NC, Berge CA, Bissett DL. Topical palmitoyl pentapeptide provides improvement in photoaged human facial skin. Int J Cosmet Sci. 2005;27(3):155-160. PubMed
- Blanes-Mira C, Clemente J, Jodas G, Gil A, Fernández-Ballester G, Ponsati B, Gutierrez L, Pérez-Payá E, Ferrer-Montiel A. A synthetic hexapeptide (Argireline) with antiwrinkle activity. Int J Cosmet Sci. 2002;24(5):303-310. PubMed
- Pickart L, Margolina A. Regenerative and Protective Actions of the GHK-Cu Peptide in the Light of the New Gene Data. Int J Mol Sci. 2018;19(7):1987. PubMed